もう、10年以上前になるとおもいます。神奈川県相模原市矢部のあたりだったと思います。私は駅前の美容室に勤めていました。そこでは地方出身者が多かったので寮がわりのアパートをお店で借りていました。その当時は女性の先輩が一人で使っていました。そのアパートはなんとも不気味な建物で、暗いんです。行きたくない!と思わせるところでした。 しかし、その先輩と一緒だとなぜかそのような気配は感じなくなるので私は油断したのでしょう、そこに一泊お邪魔することになったのです。その日朝からの雨で、八王子に住んでいた私は帰るのがおっくうになり、その先輩が結婚間近なのもあって独身最後の語りあいだね、なんてことになったんです。そのアパートは3階建てで、階段は金属のカンカンうるさい古いつくりでした。 部屋は2DKです。夕飯をとり、話にハナがさいたころなんと先輩の彼が結婚式の話があるので、先輩を迎えにくることになり、私は一人になることに。「じゃ、おやすみなさい。」と先輩を送り出した時、そとは雨が止んで信じられないくらい静まり返っていました。そのときいやな予感が頭によぎりましたが、先輩についていくわけにもいかず仕方なく一人で泊まることになりました。しばらくたつと「カンカンカン・・」と階段を上ってくる音がしました。 先輩が忘れ物でもしたのかと思いましたが、誰も来ません。でもこの階に他にひとはいないはず・・だって3階のほかの2部屋はどこかの事務所に使われていて、もう夜中の12時をまわっているのに・・・。気のせいだ!とTVをつけたまま奥のベットに横になっていました。何度か階段を上ってくる気配がありましたが、気にしないようにしていました。しばらくすると私はうとうとしていたのか、「カチャン、カチャン・・・」とガラスを金属でたたくような音でめがさめました。「?」その瞬間玄関のドアが「ガチャ、バタン!」と音がして私はものすごい金縛りに。 ものすごい恐怖とともに、ダダダダ・・・!とだれかが走りながら部屋に入ってきて私のベットの周りをグルグルと走っています。ベットは壁にくっつけてあるのに。私の周りはまるで竹やぶにでも入ったかのようにザワザワとしていました。そしてなぜか私のおなかの上に「ダーン!!グググッ」とまるでふみにじるかのように乗っかってきました。その重いこと!「グエッ!」と声がでそうでした。「南無妙法蓮華経・・」そう心の中で拝むしかありませんでした。 そしてまた音も無く降りるとグルグル走り回って乗っかってくることを3回ぐらい繰り返すと、フッと走って玄関のほうに行きました。私は今だ!とガバッと飛び起きました。「ガチャ、バタン!」とけたたましくドアを閉めて誰かは去っていきました。私は恐怖で汗びっしょりでした。時間はちょうど午前2:30。丑三つ時って本当に出るんだなと、思い知らされました。 その後玄関まで行って見ましたがちゃんとドアは内側からカギがかかっていました。いろいろ心霊現象には遭っていますが、このときほど悪意をかんじたことはなかったですね。そのアパートはあれから行ってません。他の住人の方も変わっているひとばかりだったようです。その話をするととっても長くなってしまうので今回は私の体験だけで・・・。 |
南斗のレイより
そのアパート、何かありそうですね。
文章から見て、大昔の落ち武者の霊のような気がするのは私だけでしょうか?