祖父の死  南斗のレイ談


 8月13日(日曜日)、蒸し暑い午前中のこと私には信じられないことが起こった・・・。その前日は、女にほとんど縁のない私は友人と一緒にコンパに出かけていた。居酒屋で酒を飲み、そのあとカラオケに行った。話もいまいち盛り上がらずつまらないものであった。帰りが遅くなったため日曜日の昼近くまで眠っていた。

すると、一番下の弟(小4)が私を起こしにきた。祖父がもうすぐ亡くなると・・・。私は信じられなかった。とても元気だった祖父がなぜ・・・。すぐに病院に駆けつけたがすでに亡くなっていた。人間の死とはあっけないものだ。死因は心不全だった。79歳だった。100歳まで生きると信じていたのに・・・。

その日は悲しみに暮れた。祖父はとても器用な人だった。私が小学生の頃、夏休みの工作の宿題をよく祖父に手伝ってもらった。いや、作ってもらったと言ったほうがよいか・・・。私の家で犬を飼っているのだが、犬小屋を作ったのも祖父だった。そんなことを考えていると涙が止まらなかった。もう話すことも出来ないのか・・・・・・。

次の日にお通夜があった。お通夜が終わった後、祖父の顔を見た。眠っているような顔だった。「もう一度目をあけてくれ」そう思った。葬儀場の廊下に祖父が立っているような気がした。霊感がないからわからないが、霊感がある人なら祖父が見えるかも・・・幽霊でもいいから祖父ともう一度話しがしたい。

お葬式の日・・。この日は友人とキャンプの予定だったため、葬儀に出てから出発することにしていた。こんな状況だったが、前から予定していたことだったので決行することにした。祖母も両親も認めてくれていた。

葬儀場に向かう途中で、事故に遭ってしまった。しかも私の家の近所でだ。その事故のため私の車は乗れなくなり、キャンプはあえなく中止となってしまった。「祖父のはからいか?」そう思った。祖父はきっと私に近くにいてほしかったのだろう・・・。結局私は葬儀に出席し、火葬場まで祖父を見送った。
 


恐怖体験談一覧へ戻る